スペシャルセミナー情報

月に一度、第一線で活躍されている研究者をお招きしてスペシャルセミナーを開催しています。
関心のある方は是非ご参加ください。今年度もZoomを使ってオンラインで実施する予定です。


■ 日時:2022年6月24日(金) 16:00-
■ 場所:Zoomを使ってオンラインで開催します
参加ご希望の方はこちらのGoogleフォームからお申し込みください。


虫をもって虫を制す! 不妊虫放飼法を用いた、ちむどんどんイモゾウムシ根絶作戦
日室 千尋 氏 (沖縄県病害虫防除技術センター&琉球大学)
不妊虫放飼法をご存知でしょうか?対象害虫を大量に増殖し、放射線等で不妊化したうえで、野外へ放すことで野生虫同士の交尾を妨げ、繁殖を阻害、害虫密度を抑制することで、やがて対象害虫を根絶に至らせる害虫管理方法の1つです。農薬散布などと違って環境負荷が少ない方法として注目され、ミバエ類などの農業害虫、ネッタイシマカなどの衛生害虫をターゲットとして世界中で実施されています。この方法でキュラソー島やフロリダ半島でのラセンウジバエの根絶成功を初めとし、日本でも1993年に琉球列島でウリミバエの根絶が達成されました。2012年には世界で初めて甲虫類のアリモドキゾウムシが沖縄県久米島で (Himuro et al. 2022 PLoS ONE)、2021年には津堅島で根絶達成されました。沖縄県は環境に優しい害虫防除方法で世界をリードしていると言っても過言ではありません。  2007年より、私達は津堅島においてサツマイモの外来性害虫イモゾウムシに対して、不妊虫放飼法を用いた根絶事業を行っています。防除開始当初、野生虫の密度は著しく低下したものの、近年は下げ止まっている。やはり、考えもせずただ不妊虫を撒くだけではダメなのだ。研究者としては、ちむどんどんしてきた。本講演では、本種の生態を明らかにした上で、どういった不妊虫をどう撒けばよいのか、昆虫生態学的、数理学的アプローチでイモゾウムシ根絶に挑むその研究開発についてお話する。



※ 京都大学北部構内、農学部総合館の位置は以下のリンク(京都大学HP)から地図をご参照ください。
京都大学吉田キャンパス構内配置図
北部構内マップ


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