日時:2013年12月20日 16:00-
場所:京都大学農学部総合館 W514
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米谷 衣代 博士(京都大学生態学研究センター) |
植物の香りは植物を中心とする様々な生物間相互作用において重要な機能を持つことが近年明らかになりつつある。
植物と植食者と捕食者からなる単純な食物連鎖系に注目しても、植物の香りは多様な機能を持っていることが知られている。 植食者に食べられた植物の香りはそこに植食者がいるという位置情報を同種・異種の植食者や捕食者に知らせる。 また、植物が食べられた時に出す香りは他の植物個体にも危険が迫っているという情報を伝える場合がある。 さらには、果実の香りも種子散布者に利用されている可能性が分かってきた。これらの香りの放出と利用は植物と動物たちの利害関係の結果成り立っている。 今回の発表では、(1)植物―植食者―捕食者間、(2)植物―種子散布者間、(3)植物―植物間において、 一対一の単純な相互作用研究からは見えてこない香りの機能と植物とそれを利用する動物の戦略を明らかにするために、 植物群集と動物群集の視点を取り入れて一対多および多対多の関係を強調した研究を紹介する。 |