日時: 2018年12月14日 (金) 16:00-18:00
場所:京都大学北部キャンパス 農学部総合館 W514室
小さいのにすごい!:一次消費者の生活史が河川渓畔林食物網に及ぼす影響 |
宇野 裕美 博士(京都大学生態学研究センター 特定准教授) |
一次消費者は生産者ほど大きなバイオマスを持たず高次捕食者ほど大きくもなく、それらの生態系の中での役割は軽視されがちである。しかし、一次消費者は食物網の中では一次生産者から高次捕食者へエネルギーを転換するその仲介役として生態系の中で重要な役割を果たしており、一次消費者の生活史により食物網構造全体が大きく影響を受けることもある。本セミナーでは河川において重要な一次消費者である水生昆虫の生活史の詳細な研究から明らかになった、河川本流と支流の食物網のつながりや、河川の温度の空間異質性が渓畔林食物網に及ぼす影響について紹介する。また、現在進行中のプロジェクトとして、両側回遊性の一次消費者が河川生態系に及ぼす影響に関する研究や、河川とその氾濫原の間の生物の移動に関する研究についても簡単に紹介する。 |