日時:2015年6月26日 16:00-
場所:京都大学北部キャンパス 農学部総合館 W306号教室
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手塚あゆみ 博士 (龍谷大学農学部) |
次世代シーケンサーを代表とする近年の遺伝学的手法の発達により、既存の遺伝情報がない生物種「非モデル生物」でも、ゲノムワイドな配列情報の取得が簡便に行えるようになってきました。一方で、モデル生物で公開されているように多数の遺伝子機能情報を蓄積することや、全ゲノムの物理地図の作製などは未だ容易ではなく、モデル生物と非モデル生物の間の利用可能な遺伝情報には質的、量的に圧倒的な差があります。しかしながら、既存のモデル生物のデータベースやモデル生物で確立されてきた手法を活用することで、非モデル生物の配列情報からより多くの情報を得ることが可能になります。一言に非モデル生物といっても、近縁なモデル生物を持つ種と持たない種が存在し、それぞれに適用できる方法は変わってきます。本セミナーでは、発表者が行ってきたモデル生物のゲノムデータを利用した非モデル生物の遺伝解析の事例を挙げ、近縁種のゲノムデータの有無や、実験の時間的・金銭的コストなどを考慮した上で、生物種それぞれの状況に応じた実現可能なアプローチについて整理したいと考えています。
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