日時: 2019年5月24日 (金) 16:00-18:00
場所:京都大学北部キャンパス 農学部総合館 W502室
周期ゼミの進化史と生活史制御機構の謎 |
曽田貞滋 教授(理学研究科動物生態学研究室) |
北米に生息する周期ゼミは,昆虫の中でも最も長い幼虫期を持ち,17年(北部)または13年(南部)ごとに成虫が発生する.同時発生するセミは1種ではなく,3つの種群のそれぞれに属する1種または2種が含まれ,周期の違いによってのみ区別される種を含め,7種が区別されている.周期ゼミの生活史進化と種分化がどのように起こったのか,また17年・13年もの長さの生活史がどのように制御されているのかは大きな謎である.私たちは分子系統解析やゲノム比較によって,周期ゼミ進化過程の解明に取り組んできた.これまでに明らかになった周期ゼミの系統分化,周期間の遺伝的分化・遺伝子流動,系統地理パターンを紹介するとともに,周期制御の仕組みに関する仮説やその検証方法について議論したい. |