日時:2012年5月24日 16:00-
場所:京都大学北部キャンパス 農学部総合館 W306号教室
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大園 享司 (京都大学生態学研究センター) |
菌類はきのこやかび、酵母などとして知られる真核微生物である。菌類は生態系のなかで、
分解者や動植物の共生者、寄生者などとして、他の生物にはないユニークな役割を担っている。
菌類の生活の主体は菌糸とよばれる糸状の細胞であるが、菌糸は微小である上に形態的な特徴に
乏しいため、手法的な制約が菌類の多様性科学・生態学の進展を妨げていた。しかし近年になっ
て、分子生物学的手法が導入されると菌類の多様性や生態に関する知識が一気に深くなった。
特に最近では、次世代シーケンサーを用いたメタゲノミクスの導入により、菌類の塩基配列データ
を大量かつ迅速に得ることが可能となって、研究分野は大きな変革期を迎えている。本セミナーでは
、菌類の多様性および機能の解析におけるこれらの背景や最新の取り組みと知見について紹介した
上で、今後の研究展開の方向性について議論する。
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