日時:2022年1月21日 16:00-
場所:Zoom
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二階堂 雅人 博士 (東京工業大学生命理工学院 准教授) |
東アフリカの大地溝帯に位置する三大湖、ビクトリア湖、マラウィ湖、タンガニィカ湖には形態的・生態的に多様なシクリッドが数百種を超えて生息しており、これらは「適応進化」の好例として知られている。そして、各湖のシクリッドは、それぞれが湖に固有な種であり、遺伝的には湖ごとに近縁であるにもかかわらず、湖を超えて似た形質をもつ種が数多く存在しており、これは「平行進化」の好例ともいえる。私たちのグループは、他に類をみないほどの「適応進化」や「平行進化」を可能にしたゲノム基盤を明らかにすべく研究を続けている。今回は、シクリッドの全ゲノム比較解析によって徐々に明らかになりつつある、適応進化のゲノム基盤について、キーワードとなる「祖先多型」に焦点をあてて最新の研究内容を紹介する。また、「肥大化した唇」という具体的な形質に着目して進めている平行進化のゲノム基盤に関わる研究内容も併せて紹介する。
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