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日時:2008年7月11日 16:00-
場所:京都大学農学部総合館 W306



温帯に生きるサル: ニホンザルの葉食に着目して
半谷吾郎 (京都大学霊長類研究所)
霊長類は、熱帯雨林を中心に分布する動物だが、ニホンザルはその中でも数少ない温帯に住む種である。 温帯は、熱帯と比べて、比較的規則正しいが、大きな季節変化の起こる環境である。屋久島上部域での研究から、 温帯で生存するためには、葉食と、脂肪蓄積能力が重要であることがわかった。 ニホンザルが食べる葉の化学成分を調べてみると、タンパク質が多く、縮合タンニンの少ない葉を食べていた。
これらの結果を踏まえて、現在北アフリカに住むバーバリマカクとの比較を進めており、 温帯に住む霊長類の生態学的特性の一般性について、紹介したい。